後継者不足で廃業する企業は年間3000社 M&Aによる事業承継で再生狙う

廃業企業の件数の増加

jigyoushoukei

 近年国内では高齢化社会が進んでおり、後継者不足が深刻化している。そのため日本企業の多くが、事業承継の危機に直面しているのだ。特に中小企業では後継者が見つからず、少なくとも年間3000社が廃業に追い込まれているという。

 中小企業庁によると、中小企業の経営者の5割超が60歳以上を占める。1990年には60歳代が2割だったが、高齢化にともなって急速に増加したのである。企業経営者の平均引退年齢は70歳前後と言われており、中企庁は「日本企業の過半は今後10年間で、社長の代替わり期を迎える」とみている。そのため、今後廃業件数が急速に増加する懸念がある。そうした中で、企業は後継者不足をいかに解決して事業承継を円滑に行うかが問われている。

 

後継者がいるからこそできる後継者争い

 家具販売大手の大塚家具や菓子メーカー大手のロッテでは後継者がいるにもかかわらず、とある問題が顕在化している。後継者争いだ。後継者問題は一概に後継者が不足しているだけとは限らないのである。

 大塚家具では、経営路線をめぐって創業者の父親と後継者の実の娘が対立した。この争いは結局、父親が株主総会における委任状争奪戦で敗れて退任という結果に終わった。

 一方ロッテでは、創業者の父親と日本事業を統括する兄が手を組み、韓国事業を統括する弟と対立している。韓国の副首相までもが「大変失望した」と不信感を示すほどの事態に陥った。

 とはいえ、こういった後継者争いが勃発するのは、後継者がいるからこその話。後継者すらいない中小企業にとっては、「羨ましい」という声があってもおかしくはない。実際にある中小企業の経営者はこういった後継者争いに対し、「跡継ぎがいない私からみると、子供と経営路線で対立できるなんて、ある意味でぜいたくな話だ」と語る。

 

注目されるM&A

 後継者不足に悩む経営者の打開策として注目されているのが、M&Aによる事業承継だ。後継者がいなかったり見つからない中小企業の事業を、別の企業が買い取るというもの。それにともなって中小企業の経営者は引退して交代することになるが、それまで築いてきた事業・製品サービス・従業員は維持されることとなり、結果として存続することになるのだ。廃業という最悪の結果になるより、M&Aで事業を再生するのはひとつの手である。後継者不足が加速していく今後10年間で、M&Aによる事業承継の件数も飛躍的に伸びることだろう。

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