M&A増加の背景

▷ これまでのM&A

 1990年代から国内企業同士のIn-Inに加え、海外投資家を主なプレーヤーとして積極的に海外の市場に参入しようとするIn-outも盛んになり、マネタリーベースでもM&Aの規模は上昇していきました。

 2000年代に入るとM&Aの勢いはさらに加速しました。これはバブル崩壊によって日本企業の株式が軒並み低水準だったために不良債権処理や企業買収を行ったことが、M&Aを加速させた大きな要因であると言えます。こういった現象は「ハゲタカ」と呼ばれる用語で象徴的に表されており、いわゆる「ハゲタカファンド」は一時期強烈な印象を日本国中に与えました。そして2006年にM&Aの件数はピークを迎え、その後緩やかに少なくなっていきました。

 

▷ M&Aが増加している要因

 しかし、近年これまで見られなかった理由でM&Aが再び増加しつつあります。M&Aの増加の背景には、二つの要因があると考えられます。一つは後継者問題、もう一つは市場規模の縮小です。

 後継者問題とは、戦後日本の高度成長期に起業した経営者たちが高齢になったにも関わらず、後継者がいないというものです。後継者がいない経営者にとって、上場する・廃業する・M&Aによる事業承継の3つしか選択肢がありません。廃業を選択すると多くの社員が失業してしまうため、廃業は避けたいと思う経営者がほとんどです。そうなると上場するかM&Aによる事業承継のどちらかになります。上場するには厳しい基準を超えなければならないので、ハードルは高いです。そのため、消去法で残ったM&Aによる事業承継によって後継者問題を解決する経営者が増えていったのです。

 続いて高齢化社会とデフレの長期化によって日本国内の市場規模が全体的に縮小しているというものです。この要因から多くの企業は日本市場だけではもはや成長が見られないと見切りをつけ、積極的な海外展開のためにM&Aを行っています。これら二つの要因が絡み合い、今日のM&A増加の背景となっています。

 

▷ グラフで見てみよう

 具体的にM&Aが増加している様子を下のグラフで見てみましょう。一つ目は1985年以降のM&A件数の推移、二つ目は1985年以降のM&A市場規模の推移です。

 1985年以降のM&A件数の推移 

M&A 件数 推移 IN-IN:日本企業同士のM&A             IN-OUT:日本企業による外国企業へのM&A OUT-IN:外国企業による日本企業へのM&A               (株式会社レコフ調べ)

 

 1985年以降のM&A市場規模の推移 

M&A 額 推移 IN-IN:日本企業同士のM&A             IN-OUT:日本企業による外国企業へのM&A OUT-IN:外国企業による日本企業へのM&A               (株式会社レコフ調べ)

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